2006年 05月 17日
イラン攻撃が先か、ドル崩壊が先か?-1
 ここに来て着々と進むアメリカ(ドル)包囲網。’80~’90年代に構造改革による新自由主義化の嵐にまみれた国々が、その痛手をここのところの石油高騰によって回復させるとともに、新自由主義の植民地的な手法に対して巻き返しを図りつつあるようですが、ここに来てその動きが加速しているように見えます。イラン政府の、原子力開発に対する強硬な態度も、その流れに連動した動きと見ていいようです。

 このまま各国がエネルギー貿易の決済をドル以外の通貨にシフトをしていくと、機軸通貨としてのドルの危機が、本当に迫ってくるのではないでしょうか。
 アメリカでは原油高騰で、石油会社が大もうけだそうですが、それと引き換えに大きなものを失おうとしてるのがブッシュ政権に見えます。アメリカ没落の最後の一撃を加えているとも見える、アメリカの最近の行動です。
 日本は、こんなアメリカに国をあげてついてってほんとだいじょぶか?(昨日だかの小沢さんによる国内食料自給100%を目標にするとの発言には、僕個人的には心強いものがありましたが…)

 タイトルに示したような、向こう半年といったスパンで早期に米国債やドルの暴落があるのかは、わかりませんが、少なくとも、石油決済のドル離れが進むことで、アメリカに還流するドルは少しずつ減っていき、イラク&アフガン戦費の増加や対中赤字の増加とともに、真綿で首を絞めるが如くアメリカを次第に追い込んでいくことは確実だろうと思われます。
 で、恫喝してくるのか、泣きついてくるのかはわかりませんが、この先アメリカは日本に対して米国債の償還延期や、償還そのものの放棄(いわゆる”踏み倒し”ってやつですな)を要求してくる可能性も大きいのではないでしょうか。また、以前やらされたように、為替操作(円売りドル買い)による米国債買いを要求されるかもしれませんし、先のグアム移転費のように、堂々と請求してくるかもしれません。そんな事態になった時、日本の有権者は、はたしてどんな反応をするのでしょうか?


ロシア政治経済ジャーナル No.394 2006/5/18号より。

(以下引用)
▼オオカミ対策1(軍備増強)

オオカミアメリカは新ロシア革命を狙っている。

そして、ロシア政府はNGO規制法などを制定し、革命阻止に動いているというはなしは皆さんご存知ですね。

オオカミ対策1は、国防費を増やすことです。

プーチンさんはいいます。


「ロシア軍が強くなれば外国からの圧力はそれだけ少なくなる」


国の力は金力(経済)と腕力(軍事力)ではかるというのが、世界の常識。

これはかつて日本でも常識でした。

昔の人は「富国強兵」「富国強兵」(金をもうけて軍隊を強くする)といいました。

大統領がこういう発言をしても、ロシア国民は反対しません。

なぜなら、彼らはアメリカからの圧力をヒシヒシと感じているからです。

(中略)

もっとも重要な発言は、「ルーブルをドル・ユーロなどの主要通貨と完全交換可能にする準備を今年7月1日までに完了する」と宣言したこと。

ロシアは、ルーブルと外国為替との交換を制限していましたが、これを撤廃します。

さらに。。。


「石油など我々の輸出品は、世界市場で取引されており、ルーブルで決済されるべきだ」


さらに、ロシア国内に石油・ガス・その他商品の取引所を組織する必要があるとしています。

取引通貨はもちろんルーブル。

勘のいい皆さんはもうおわかりでしょう。

世界最大の財政赤字・貿易赤字・対外債務国家アメリカが生き延びているのは、ドルが基軸通貨だからでした。

フセインは2000年10月に、石油の決済通貨をドルからユーロにしアメリカから攻撃されました。

イランは、ユーロ建ての石油取引所を開設しようとしていて、これが攻撃の主因になっている。

「<イラン>石油取引所を開設 ★ユーロ建てで米国に挑戦か 
【テヘラン春日孝之】石油大国のイランが石油取引所の国内開設を目指している。取引の通貨が★ユーロになるとの情報が流れ、オイルダラーに依存する★米国の「ドル支配体制」への挑戦ではないかと観測を呼んでいる。」(毎日新聞4月17日)


アメリカによるカラー革命にむかついたロシアは、イラク・イランと同じように、アメリカのアキレス腱をついたのです。

もちろんルーブルの使用量がすぐに激増することは考えられません。

しかし、独立国家共同体(CIS)諸国でロシアから石油・ガスを買っている国々に「ルーブル」を使わせることはできるでしょう。

また、ロシアからのエネルギーと武器がなければやっていけない中国とも交渉可能なのでは?

全部がだめなら、一部をルーブルでということも可能です。

世界でドルが使われる量が減れば減るほど、アメリカは没落に一歩近づくのです。

さあ、アメリカはどうでるのか?
(引用以上)


 ということで、ロシアによるエネルギー市場でのドルから他通貨へのシフトはこの7月に始まるようです。イランも石油決済のユーロへの移行を既に意思表示していますが、今後アメリカが本気でイラン攻撃を考えるようになれば、それに対するイランからの対抗措置として、逆にユーロシフト実現の可能性が高くなっていきそうです。

「イラン攻撃が先か、ドル崩壊が先か?-2」へつづく。)
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by darsana-te2ha | 2006-05-17 21:37 | 世界情勢


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