2006年 06月 20日
東アジアでの緊張を漸次ほぐしていけませんかね。
 日中間の緊張の原因が米軍にあるのか、というコメントがシバレイさんのblogにありまして、主に在日米軍の可否についての意見を交わすことがテーマになっていました。それについて返事コメントを書き込みしようと思ったら字数オーバーだったので、改めてこちらに書かせていただきました。


 まず一つは、尖閣や竹島の問題と、日米と中国の対立はちょっと分けて考えないといけないと思います。尖閣・竹島問題はどの国の国境地帯でも起こる問題の一つだと思われます。経済も含めた包括的な話し合いで解決を図っていけませんか。尖閣の問題については、以前に引用させていただきましたこんなご意見もあります。日中両国の相互発展にはいいアイデアだと思いますが如何でしょうか。 
 北朝鮮に関しては、国民を不幸にするだけの極端な専制国家は、早晩消滅し韓国主体の統一へ向かうといいなと個人的には思っていますが、6カ国協議によってソフトランディングできませんかね。どこかで読みましたが、在日米軍の存在を日本国民に認めさせるために、アメリカは北朝鮮をわざとつぶさずにいるとのこと、又軍事評論家神浦さんもおっしゃってますが、防衛庁が予算獲得等自らの立場を高めるために、北朝鮮の脅威を利用してる側面も強いそうです。

 もう一つですが、米中の対立です。
 共産主義対資本主義の対立による戦争というのは既に過去のものではないかと思います。もしアメリカが本気で共産国家中国をつぶそうと思ったら、対中貿易やめてしまえばいいんですから。ところが逆にアメリカは中国側が行っている尖閣諸島の石油開発にまで投資してます。
では、なぜ米中が対立するのでしょうか。

 三つ子の赤字国アメリカにとって、基軸通貨であるドルの価値を維持するためには、アメリカにお金が還流してこないことにはやっていけません。ドル還流のための手段は

・産油国をおさえ、石油の決済をドル建てにすること
・貿易のイニシアティブをアメリカがとり、貿易相手国にドルで決済してもらうこと。
・軍事力、政治力を使ってドルが他通貨より安全で有利であることとし、ドルを買ってもらうこと。

といったところでしょうか。

 これまでは産油国をうまく抑えてましたし、GDP世界第2位の経済大国日本が喜んでドルとアメリカ国債を買ってくれたので問題ありませんでしたが、ここに来て世界の経済のバランスが変わってきています。アメリカの借金は増え続け、今までのドル還流のやり方だけでは、どうにもならなくなりつつあるようですし、中国経済の台頭です。
 アメリカは台湾問題をきっかけに中国と戦争し(その際自衛隊も前線に駆り出される。そのための九条改正だそうです)、また諜報活動によって国内を不安定にすることで北京政府を弱体化させ、経済発展している中国の持つ膨大な外貨準備をアメリカ国債買いに喜んで回してくれる、今の日本のような属国的な政府にすることだそうです。トランスフォーメーションはそのための中国軍事包囲網の一貫だそうです。そして、上記のアメリカの思惑については中国政府も既に気がついているようです(参照:「ボロボロになった覇権国家(アメリカ)」 北野 幸伯氏著「ロシア政治経済ジャーナル」ほかより)。
 ただ、上記のアメリカによる中国弱体化は失敗に終わり、アメリカの覇権は次第に弱まる、という見方もあるようです。

 日本はアメリカと国益を共通させてる部分もありますが、100%いっしょではありません。今トップにいる政治家たちは、国内やアジアを恫喝してくれるアメリカの軍事力にメロメロです。しかし、はたして現在のような形でアメリカの言う事を何でも聞いていくことが日本の国益に沿うことなんでしょうか? イラク泥沼化で中東の産油国を押さえることに失敗しつつあります。財政面での破綻リスクや住宅バブル破綻リスクをかかえてしまっていて、マーケットとしてのアメリカの力は今後伸び悩みになると思われます。日本政府がかかえてるアメリカ国債の一部を売ろうとすれば、アメリカという国はたちまちやっていけなくなるのです(ただ、実際にそれをやったら世界恐慌が来てしまうでしょうが)。日本は防衛費の一部を、石油にたよらない新エネルギーの開発や、ロシア等中東以外の国からの石油輸入に向けることもできるはずです。

 また、台湾・韓国も'80年代後半まで軍事独裁国家でしたが、経済的に発展安定するにともない民主的な制度に移行していきました。今後しばらく時間がかかるとは思いますが、中国もそのようになっていってくれるといいなと思っております。東アジア全体のためにも、中国が内乱や対外戦争を行わずに発展していけるよう、長い目で日本も協力していけないものでしょうか。
 アメリカはいざとなったら太平洋の向こうに引っ込んでしまえばいいですが、日本にとって中国や韓国は多少気に入らないところがあっても、ずっと隣人として付き合っていかなくてはいけないのではありませんか。日本は貿易立国です。周辺国との対立はどう見てもリスキーです。防衛費も我々の税金なんですから、出来る事なら世界全体の最大幸福のためにもっと有効に使って欲しいと思います。


 冷戦時はアメリカにおんぶにだっこで済んでましたが、世界は変わってきています。情報収集活動も含め、日本独自の戦術を考えていかないと、だめな時期にさしかかっているのではと思います。宮台真司氏も指摘しておられましたが、アメリカが日本を利他的に面倒を見てくれたのは、冷戦という特殊状況(一種のモラトリアム)があったればこそです。
 冷戦は15年前に終わってしまいました。その後の“グローバル化”と言う名の下にアメリカがやってきたことを、皆さんもご存知なはずではないでしょうか? 今や利他より利己に走るアメリカによって、日本は金融や産業基盤の面で大きな攻撃を受けてきました(皆さんご存知であろう「拒否できない日本」ほかより)。
 又アメリカに大きな額のカネを貸している日本は(2004年度でアメリカ国債総額の36.6%を日本が保有してる。政府民間で購入した長期のものも含めると総額300兆円とも言われています)、借金返済帳消しのために、経済や軍事的な面で今後もアメリカから攻撃されるリスクが高いはずです。どう考えても現在のように軍事、食料、エネルギー等の面で、アメリカに大きく依存したままだと、今後日本は大変危険な気がします。
 藤原帰一氏がおっしゃってるように、各国の多様な政治体制や価値観をある程度容認しつつ、北東アジアでの多国間安全保障を構築を図り、アメリカ依存の安全保障体制からの斬新的なシフトを進めていけるといいなと思っています(=東アジアでの米軍のプレゼンスを漸減させていきたい)。

 最後に僕個人のささやかな希望ですが、その際日本は米中露といった大国に庇護されるのでなく、終戦直後に尾崎行雄(咢堂)氏がおっしゃっていた

「日本は小国の先頭に立って、正義への道を進まんとするか。はたまた大国の進みつつある狭い道にふみこんで、彼等とその運命を共にせんとするか。」

という言葉にあるように、東アジアの中小国すなわちASEAN諸国、韓国(出来れば南北統一がなされてるといいですが…)で、経済や安全保障において相互に助け合うゆるやかな国家連合を作れると良いなあと思ってます。これにモンゴルや極東ロシア内の自治共和国も加えられると尚良いですけど。今の日本の世論の中では暴論ととられかねませんが、長い目で見てそのような方向で進んでくれることを夢想(imagin)しています。
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by darsana-te2ha | 2006-06-20 00:19 | 世界情勢


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