2006年 08月 30日
やはり、アメリカは身から出た錆で自壊するのかな。
ノーム・チョムスキー 「アメリカのコロンビア二重政策 - 麻薬というアリバイ」より
(引用開始)
コロンビアは70年代末に一大コカイン生産国となった。なぜか? なぜラテンアメリカの農民は、自分には必要のないコカを栽培するのだろうか? 答えは「南」の諸国に押しつけられた政策の中にある。欧米先進国とは逆に「南」の諸国は市場開放を迫られ、特に補助金を受けたアメリカ農産物の輸入によって農業は壊滅状態となった。農民は、近代経済の掟に従った「合理的生産者」となるよう、つまり輸出作物の生産への転換を行うように求められた。そして農民はまったく合理的に、コカやマリファナなど最も換金価値の高い作物への転換を行った。別の理由もある。 1988年にアメリカはコーヒー農家に対して、相場水準の維持協定を破棄するよう強制し、コロンビアの主要輸出産品であったコーヒーの価格は40%下落した。収入が落ちこみ、飢えた子供をかかえたコーヒー農家が北米ドラッグ市場に活路を見出したからと言って驚くにはあたらない。第三世界に押しつけられた新自由主義政策が、麻薬取引増大の主要な原因の一つだったのだ。アメリカの麻薬取締り政策も一枚かんでいる。取締りのために比較的害のないマリファナからコカインなどのハード・ドラッグに需要が移ったため、コロンビアはマリファナ生産をやめ、高収益で持ち運びしやすいコカインの生産に集中するようになった。
(引用以上)


山手國弘さんのサイトより
(引用開始)
アメリカの場合、南北問題で一番弱っているのは、コカインの問題です。コカインは南北の衝突の現われですね。アメリカとかヨーロッパが、中南米をプランテーション農業のように、モノカルチャーのような形で、一方的に現地の人たちの生活様式を破壊してしまったために、貧困の状態になっているんですね。しょうがないので換金作物に頼るしかない……ほかのモノカルチャーもアメリカやヨーロッパの大企業にプランテーション農業で押さえられていますから。非合法のものしか残っていなくて、しかもてっとり早くお金になるコカインに走ってるわけです。ですからあれは南北問題なんです。累積債務も確かに南北問題ですが、その裏返しですよね。

これはアメリカとしても、もう誤算をしているんです。コカインを取り締まっても意味はない。モノカルチャーを壊して、本来の自然発生的な農業、林業、漁業、自然発生的な手工業、そして自然にバランスした農村とか都市をつくることに力を貸さなきゃいけないんです。元に戻してあげなければいけない。 コカインをつくっているのはペルーで、それを精製しているのがコロンビアという図式になっていますよね。中南米の人は、アメリカもヨーロッパも都合のいいところではお金を貸しても、根っこにおいては助けてくれないことを知っていますから、非合法な活動をするんです。解放区をつくってしまう。そのことは、さすがに西欧社会から派遣されているローマ法王庁の牧師たちも、もう西欧的な教会の原理では救うことができないと見極めて、第三世界的な、毛沢東思想的な解放神学を掲げて政治運動にまで走っているでしょ。明らかに南北問題は、全地球上に火がついているんですよ。単なるイラクの問題だけではない。そうなると困るのはソ連もアメリカもECも、表面的には日本も同じなんですね。先進国は全部それに巻き込まれる。
(引用以上)


 中東での“テロリスト”掃討にしても、南米からの麻薬の問題にしても、結局自分で作った問題であるにもかかわらず、そこを自覚しないまま、表面的な“敵”をぶっ叩くことしかしてこなかったことのツケが回ってきてるってことでしょうね。
 たまさかお金と技術力を持ってたので、強力な軍隊を使って恫喝することで、問題の本質的解決を先延ばししてきたわけですけど、今やレバノンやイラクの様を見ると、核を使って広範囲な地域を破壊し核汚染するか、局地戦で敗退するかのどちらかしか、恫喝による結論はあり得ないのではないでしょうか? イランと仮に戦争をやっても、ミサイルで何か所かを破壊は出来ても、戦略的に勝ち目が無いようですし。このままだと2007年からのイランの原油決済のユーロ化は不可避なのかもしれません。おまけに今ブッシュがぶってる「有志国によるイラン制裁」に日本をはじめとした同盟国も巻き込まれれば、アザガデン油田はじめイラン国内の石油権益を中露に易々と持ってかれてしまい、アメリカが画策する石油を使った中国封じ込めが失敗する可能性も高くなるでしょう。

 アメリカにおける政治と企業との癒着、インサイダーもひどいものがあります。日本の商慣習に対して、フェアでないとアメリカは批判してきましたが、少数のエスタブリッシュメントによる身内至上の公私混同の政治経済運営ほどアンフェアなものは無いと思いますけどね。イラクの復興にしても、チェイニーのハリバートン始め現政権の中枢たちの関係する企業(ブッシュ家御用達投資会社カーライルが深くからんでる)が中心にやってますからな。ひどいもんです。また、ニューオーリンズの水害問題で明らかになったような、米国内の貧富の格差と麻薬問題による内部崩壊の可能性も充分にあります。

 先日書いた、タイのお坊さんの予言のように、2010年のアメリカ覇権崩壊に向けて秒読みが始まったのかもしれません。
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by darsana-te2ha | 2006-08-30 16:13 | 世界情勢


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