2007年 02月 22日
「構造改革」を何年もやっているのに、景気が良くなった実感が無いワケ。
 政府の経済回復の喧伝に対して違和感を感じておりましたし、その原因について、下記の経済関連のwebコラムにわかりやすく書いてありました。なるほどな、って感じですね(^^)

経済コラムマガジン「財界人と『合成の誤謬』」より。
 構造改革派の財界人の思考の背景には、個々の企業、あるいは一つ一つの会社が良くなれば、それによって国全体も良くなるという発想がある。財界人でなくとも誰もが陥る誤りである。しかしこれには条件があり、常に正しいとは言えない。それどころかこれこそが「合成の誤謬」である。

合成の誤謬について本誌でもこれまでに何回か取上げたことがある。例えば03/8/18(第309号)「自民党の総裁選に向けて」で『これは個々の主体が正しい行動を採ることによって、経済全体ではむしろまずい方向に進むことを意味する。デフレ下で、それぞれの主体が自己の防衛を行うため、支出を控えることによって、さらにデフレが深刻化する今日の状態が「合成の誤謬」である。』と説明した。

「合成の誤謬」は理解しやすい概念である。マクロ経済学を学んだ者なら誰でもが認識していると思われる。経済学を学ばなくとも現実の経済に携わっている者なら漠然と理解しているはずである。ところがこの言葉は一般の人々に浸透していない。特に日本のメディア界ではほとんど無視されている。したがっていまだに多くの人々は、一企業が良くなることが常に日本経済全体にもプラスになると誤解している。


「合成の誤謬」の概念は簡単であり、構造改革派の経営者も薄々解っているはずである。下請企業や系列販売網を整理したり、従業員をどんどんリストラすれば、自分の会社にとってメリットはあるが、国全体にとってはマイナスが生じる。まさにこれが「合成の誤謬」である。しかしそんなことにこだわっていては企業の合理化はできない。またリストラをどんどん進める者が優れた経営者という評価がなされる今日においては、経営者は「合成の誤謬」を知っていても知らないフリをする。

この結果、日本中で企業の合理化が進められることになった。筆者は企業が合理化を進めることに反対している訳ではない。しかし企業が合理化する時には、マクロ経済が成長している必要があると考える。経済が成長している場合には生産資源の移動がよりスムースに行われ、合理化による犠牲はそれだけ小さくて済むのである。


経済が成長していない場合には、企業の合理化に併せて政府による総需要創出政策が必要になる。ところが不思議なことに、今日の構造改革派の企業経営者や財界人は、政府の総需要創出政策に対して猛烈に反対するのである。構造改革派の経営者は、自分達だけが生き延び、利益が得られれば良いと考えるのであろうか。

このように今日の財界はあたかもエゴイストの集まりであり、「共生」という言葉と無縁の存在になってしまった言える。ところがマスコミはこのような構造改革派の経営者をもてはやさすのである。例えばカルロス・ゴーン氏が日産の救世主と評価が高い。しかしカルロス・ゴーン氏の日産の合理化は、日産の経営を一時的に立直したかもしれないが、排除された者も産み出したのである。

ところがカルロス・ゴーン氏の経営手法を国でも採用すべきと主張する「ばか者」が多いのには驚かされる。01/10/15(第226号)「カルロス・ゴーンと上杉鷹山」で触れた小泉前首相もその一人である。また学者なのかバラエティタレントなのかはっきりしない田嶋陽子氏もテレビ番組で「日本の財政を立直すにはカルロス・ゴーン氏を日本の総理大臣にしろ」と叫んでいた。「合成の誤謬」は簡単な概念であるが、この簡単な理屈を全く理解できない人々が実に多いのである。

民間の企業は「排除の理論」で余剰な人員や下請企業を切ることができる。一方、切られた人々を救済するのが政府の役目である。その政府にカルロス・ゴーン流の経営手法を採用すると言うのである。しかしよく見てみると、カルロス・ゴーン改革によってメリットを受けたのは、会社のトップに近い人々と株主だけである。

 日経新聞はじめメディアやそれを受け取っている人たちは未だに「個々の企業、あるいは一つ一つの会社が良くなれば、それによって国全体も良くなるという発想」にとらわれてしまっていませんかね。小泉前首相の催眠的ワンフレーズもそれを後押ししていたように思いますし、安倍内閣の経済政策も基本的にその考え方を踏襲しているようです。只、実際の経済が上記の考え方の誤りを証明しているように思われますが、いかがでしょうか。

 引用記事にもあるように、今の日本の経済は中国とアメリカ2国の外需だのみなのでしょう。で、溜め込んだ外貨は基本的にドルなので、それを円に変え国内に還流させることなく、多くがドル国債やドル建て金融資産へ流れていっているのが実情のようです。おまけにここのとこの増税続きで、その分のお金が国庫に回り国内の実経済に流れる分がどんどん減っていってるわけです。そんな経済政策を進めた上で消費税率をアップをすれば、その流れがさらに加速し、国内には更にお金が回らなくなっていくことで、需要は減退しデフレ基調は更に続いていくことでしょう。又そんな流れを後押しする“構造改革派”政治家、財界人、官僚、御用学者、マスコミがデカイ顔をしてるいるわけで、ほんとに困ったものです。
 早いとこ内需主導の経済にシフトしていかないと、この先起こる確率の高い米中のバブル崩壊の余波をまともに受けてしまうことになりかねませんよね。又、以前にも書きましたが、このままの経済政策を進めていけば、国内経済の更なる技術力、購買力の低下が進行し弱体化していくことで、益々疲弊し殺伐とした世の中になっていくのではないでしょうか。
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by darsana-te2ha | 2007-02-22 00:57 | お金、政治


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