2007年 12月 28日
ビートルズの陰謀論的解釈を読んで、この人はちゃんとロックを聴いた事あんのか?と思ってしまった(笑)
 今回はビートルズをネタに、ネット上で散見される過剰なユダヤ陰謀論について書いてみようと思います。

 確かに世界は陰謀がうずまいていると思いますし、そのせいもあって今の世界は格差や貧困、環境問題等確かにひどいことになっています。
 しかし、その陰謀を画策してる人たちを必要以上に大きく見てしまうことは、まさに彼らの思うツボだと思うのですが以前もそれについてちょっと触れましたけど…)、ネット上にはそんな過大な陰謀論をさも事実の如く書いてあるところもあって、思わず苦笑してしまうこともあります。
 太田龍氏はかなり昔にアイヌについての著作を面白く読ませていただきました。最近はユダヤ陰謀論のスペシャリストのようですね。氏のサイトを読んで成る程な、と思うこともあるのですが(例:孝明天皇暗殺説)、話が飛躍しすぎて「なんなの?」ってこともよくありまして(笑)、例えばビートルズが世界を支配する人たちによる若者白痴化のためのツールだった論(笑)。

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 彼らのマネージャーだったブライアン・エプスタインは確かにユダヤ人だったけど、芸能関係の仕事につくってのはイギリスに住むユダヤ人の職業としては自然なことだったのでしょう。またここでも書いてきたように彼ら(ビートルズ)は黒人音楽のファンだったわけで、白人至上主義的なイギリスやアメリカのマジョリティの、それまでの常識に対する異議的側面が強かったにやに思うのですけどね。アングロサクソン的価値観の自己否定を音楽やそれに付随する諸々を通じて行ったのが彼らだったわけでしょう。
 商業的な大成功は特にアメリカのメディアが(確かにユダヤ系が主流でしょう)彼らの商品としての価値に目をつけたことによる結果だろうと思いますし、ビートルズの持っていた白人自己否定的側面については商売的には目をつぶってうまく隠匿していたように思われます(だとしてもビートルズの持っていた本質的な面〔白人による白人的価値観の自己否定〕は特にその音楽からは失われてはいなかったでしょう)。またそれによって彼らが莫大な富を得たのもまた事実でしょうが、それはビートルズの音楽のせいというより、欧米の持つ社会のありようがそうさせたんだろうと思われますが…(その音楽スタイルのオリジナルネイターである黒人たちに、その正統な代価がペイされてきたとは思えませんし…)。

 確かにユダヤ人の一部のエリートたちは非常に狡猾で貪欲でアタマに来ますが、ユダヤ陰謀論者がやるようにユダヤ人全部をいっしょくたにしてしまうことは、かえってユダヤエリートやWASPはじめ欧米エスタブリッシュメントの中に巣食う本当の悪人たちを見えにくくさせてるように思います。
 ユダヤ問題はヨーロッパのかかえてきた負の側面の一つの現われであって、それを利権がらみで中東のパレスティナに押し付けて、しかもそれに反対するアラブ人たちを「イスラム過激派」としてスケープゴートに仕立て、これまで問題をうやむやにしてきたとしか思えません。イスラエル問題は、ユダヤを差別しかつ利用してきた非ユダヤ人や、それを逆手にとって生き延びてきたユダヤ人双方を含む欧米人全体の道義や道徳にこそその問題の根源があるやに思います。そしてそのことにメスを入れざるを得ない状況というのが、いずれやってくることでしょう。

 話がちょっとそれましたがロックミュージックについてその本質を言い得てる文章をご紹介したいと思います。下記「ロック」を「ビートルズ」と読み替えれば今回のブログ記事のテーマの良き解説になろうかと思います。「ロック」を「ヒップホップ」に置き換えればそれはそれでまんま当てはまりますね(笑)。ちなみにヒップホップはアフリカ伝統の語り(オーラル)の文化の系譜に属し、教会での黒人牧師の説教等を通じて連綿と受け継がれてきたものだそうです。

「やきそばパンの逆襲」 橘川幸夫著 河出書房新社刊より引用
P111~112より
「…(中略)…いいかい、アメリカという国はね、ヨーロッパの白人たちが食いっぱぐれて流れて出来たんだよ。武器と資金の力で、アメリカの先住民を排除して、アフリカから大量の黒人を奴隷として連れてきちゃった。すげえお話だよな、そんな国が民主主義なんて言うんだから。そいでな、連れてきた黒人たちを洗脳するんだよ。アフリカの土俗宗教を捨てさせて、教会で説教聞かせて、食生活も衣服も全部、自分たちと同じようなものに変えさせる。自分たちの奴隷にするには、その方が便利だからな。黒人たちは全面降伏して、受け入れるんだよ。だけどな、魂だけは降伏しないんだ。教会でキリスト礼賛の賛美歌を歌わされるわけだけど、内容も歌詞も白人の指示のままなんだけど、そこにアフリカ特有のリズムを持ち込むのさ。ゴスペルっていうのは、そこから生まれたのさ。ゴスペルからブルースが生まれてさ、JAZZになっていく。そうすると、そうした黒人のリズム&ブルースの音楽をかっこよいと思う白人の子どもたちが出てくるんだな。それがロックのはじまりなんだ」
…(中略)…
「何を言いたいかというとね、アフリカ人は表面的には白人文明にすっかり洗脳されたように見えてね、魂の部分では白人の子どもたちを侵略したんだ。今では、世界中の先進国の子どもたちがロックを好きだけど、これは、アフリカ文化の魂の勝利なんだよ。僕は、アメリカから日本に帰ってきて、戦後の日本社会も、アメリカにすっかり洗脳されちゃったけど、その中で、ゴスペルみたいに、日本人が魂の部分で勝負していくものがあるはずだと思ったんだよ。
…(中略)…」

 上記太田氏も含まれと思われますが、団塊世代より上の特に左翼系出身の方々って、自らの新しさや正しさの立脚点をイデオロギーから導き出そうとしませんか。音楽が踏み絵になるっていう感覚を理解してもらいにくいのかもなあ…(>_<)。
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by darsana-te2ha | 2007-12-28 20:07 | いろいろ感想文


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