2008年 02月 09日
「小泉改革」時に喧伝された『株主至上主義』へ、経産省から本格的な異議申し立てがあったようです。
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写真は、経済産業省@霞ヶ関


 先だっての国交省による空港ビル株買いへの外資系会社の制限に引き続き、経産省からも『小泉改革』が盛んなりし時に竹中元大臣を中心に大きく喧伝された『株主至上主義』『会社は株主のものである』といった一種のプロパカンダに対する反論を、北畑事務次官がこの程開かれた講演会でされております。

 ところで、北畑次官をググッたら新自由主義系エコノミスト池田信夫氏が、株主を貶めるとんでもないヤツだと北畑次官を批判しとるようですが…(笑)。
 また、その講演会での北畑氏の発言を朝日新聞が批判的に報道していたようです。広告主様のためにもこういう批判はやはり必要なんでしょうかね(笑)。
asahi.com:経産次官「デイトレーダーはバカで無責任」 講演で発言 2008年02月08日03時05分
(追記:朝日だけでなく毎日でも同じような報道がされてたようですね。「経産省:北畑次官が「デイトレーダーはばかで強欲で浮気」 - 毎日jp(毎日新聞)」)


経済産業事務次官講演会
経済産業事務次官北畑隆生氏
「会社は株主だけのものか? ─企業買収防衛策・外為法制度改正・ガバナンス─」
平成二十年一月二十五日(金)
著作権は、(財)経済産業調査会に帰属する。


 上記講演会録より一部引用します。
(p4-5より)
(この十年間で)世界経済が(GDPで)一・五倍~二倍ぐらいにしかなっていない中で、原油の先物取引所にあるお金が二十倍になっています。もちろん中国とか、インドなどが原油を買う一方、産油国の生産量がそう伸びないという需給関係で価格が決まることはありますが、それ以上に世界にあふれた投機資金が原油市場に流れると、十年前は原油一バレル二十ドル前後だったのが、あっと言う間に百ドルになるのです。
 世界は実物の経済から金融が世界を回す経済になりつつあるのですが、こういった中で企業のあり方は大きな変化にさらされているのではないかと思います。会社は株主のもの、お金で何でも買えるとなれば、この世界にあり余っているお金がどう流れるかで、日本の企業のあり方は大きく変わってくるわけで、そこの対応をいろいろ考えておかなければいけません。
[()内は全て引用者注]

(p5-6より)
会社制度は万国共通ではない
 日本の企業のあり方について私が言うことはどちらかというと少数説です。大半の人、例えば米国のビジネススクールに二、三十年前に留学された方が今、会社の幹部やマスコミ界の論客になっていますが、この方たちの多数説の考え方は、会社は株主だけのもので、株主が究極の実権を持っているという株主万能主義です。それから、日本で言われるところの、いわゆる「アメリカ型」の株式会社制度が世界の普遍的な仕組みであって、日本はそれに合わせていかなければならない。だから、日本はこれをそのまま導入していくべきだとおっしゃるのですが、ほんとうにそうなのかなという気がします。そもそも、アメリカの立派な会社の実像が「アメリカ型」なのかも、定かではありません。
 グローバル経済の中で、世界各国は株式会社制度を持っています。大雑把に言って、ヨーロッパ、アメリカ、日本の株式会社制度は核になる大枠の部分は一緒ですが、細部を見ると随分違います。それから新興国、例えばロシアとか中国も株式会社に近い制度を持っていますが、日本、アメリカ、ヨーロッパの株式会社とはかなり違っています。

(p7より)
私の結論は、会社はステークホルダー全体のものだと思います。コーポレートガバナンスに
ついても、株主による監視も必要ですが、それよりも売り先の市場競争によるガバナンスの方が実際はきいていると思います。それから、配当か、内部留保かは、おのずから基準があるといますが、企業が仮に継続的に存在することが必要として、内部留保をどう考えるかについ
て議論をしていきたいと思います。
 これらが日本の経営の特殊論になってしまうと世界に通用しませんので、〇七年十一月に調
査団を派遣し、アメリカのエクセレントカンパニーを視察しました。その結果、少なくともエクセレントカンパニーは、日本で言われる「アメリカ型」とは違う。むしろ日本の企業に近いような発想であることを発見しました。このことは詳しく後述しますが、日本のよさを生かしつつ、インターナショナルスタンダードとしての会社のあり方が打ち出せるのではないかと思い、調査団の報告も踏まえ、「会社のかたち」について、省内で具体的な検討をしています。

と、成る程なと思われる事柄を述べられております。講義録のPDFは20ページになりますが、法律も含めた具体的な対応策についても述べておられまして、ご興味ある方は是非お目を通してみてくださいませ。
 竹中氏はじめ御用学者たちが、メディア上で今の日本の株価下落は『改革』の後退による、と盛んに叫んでいるのも(テレ東の夜11時の「ワールドビジネスサテライト」じゃ、毎日のようにコメンテーターがそんなこと言ってますな・苦笑)、上記の国交省や経産省等政府の一部の動きに対する危機感があるからなのでしょうね(日本の株安は、サブプライム問題で負債をかかえてしまった欧米金融会社による資金回収が主な原因でしょう)。

 立法過程においてはパブリックコメントの募集もあるかと思います。先日ご紹介した在日米国商工会議所あたりが批判的なパブコメを送りつけるであろうことは今から目に見えてますが(笑)、そんなんに負けないよう、反新自由主義の立場からパブコメを送りつけていかないといけないかもですね。


おまけ:なんでも小泉元首相は向精神薬依存だったとか(参考記事:副島隆彦氏「第2ぼやき 「72」 私たちは、SSRI、リタリン、プロザックなどの抗うつ剤(興奮させる薬物)に注意し注目しなければいけいない。」より)。子ブッシュ大統領もアル中の治療過程で薬物依存になったというし、こういう半キ×ガイが日米両国政府のトップで指揮をとってたかと思うと、ぞっとすると同時に、ここのとこのサディスティックな政治経済のあり方にも納得がいってしまったりします。

先日、書きかけであるとお知らせした『ネットロビー活動のススメ』は、まだ完成してませんで、たまたま上記のニュースを目にしたもので、こちらを先にアップさせていただきました。)
[太字は全て引用者]

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by darsana-te2ha | 2008-02-09 02:44 | お金、政治


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