2008年 11月 15日
経団連のシンクタンクの前理事長である田中直毅氏が財務省の審議会の要職に。
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 以前から当ブログでも何度か指摘させていただいておりますが、財務省はナゼ日本を弱体化させるような愚かな政策を、これでもかこれでもかと推し進めるのかフシギでしょうがなかったのですが、最近下記の記事をネット上で見つけました。

「無料出版オンブック:オンブック社長ブログ: 一週間の日記 11月10日から11月16日まで」より
日本の政策は官僚が作って政治家が動かされている、というのはありえない。そんなの考えられるほど彼らは暇でない。彼らは実務家として優秀なのであって、オリジナルな立案は能力的にも出来ない。では誰が考えるのかというと、アメリカの要望とアメリカの息のかかった学者たちである。年金問題も、大学の先生たちがまとめたものだ。官僚は、そうしたネタになる諮問を具体的な事務にするだけ。大学やアカデミズムが、こうして、国民を圧迫する先兵になってしまったんだな。政治家や官僚は、政策が破たんすれば責められるが、学者は知らぬ存ぜぬだ。


 以前当ブログでも取り上げた下記の森永卓郎氏の著作にもこれを裏付けるようなことが書かれておりました。

「日本経済『暗黙』の共謀者」 講談社+α文庫 森永卓郎著 2001年刊 P151~152より引用
御用学者の多くは、社会人になってから会社のカネなり、役所のカネを使ってアメリカに留学する。例えばハーバード大学やスタンフォード大学へ行くのである。ローマ大学とかパリ大学に留学するケースはほとんどない。
 彼らはエリートだから、留学先では、アメリカの一流の学者や一流の財界人と付き合うことになる。そこで、彼らが不思議と思うことは何か――。アメリカでは一流の学者にしろ一流の財界人にしろ、みんなすごい家に住んでいる。プールがあって、メイドがいて、夢のような生活をしている。自分たちも日本社会ではエリートだが、自分の住んでいるのは社宅や公務員住宅の2DKだ。同じエリートなのに、なぜこれほど生活が違うのだろう、と疑問を持つのである。
 アメリカという国は社会的地位と所得が正比例する社会だ。社会的な地位の高い人は例外なく金持ちで、社会的な地位の低い人は必ず貧乏なのである。
(中略)
 日本に帰って来た時に、現実をみると土地も家も高い。株も高い。いくら努力して社長になったところで、年収は三〇〇〇万円だ。あのアメリカのエリートたちが享受してる生活の足もとにも及ばないではないか。彼らと同じようになるためには、どうしたらいのだろう……。そここで彼らが思いついた戦略が「暗黙の共謀(=日本社会をアメリカ型格差社会への改造すること/引用社注)」の重要な理論的支柱になったのである。

 以上を鑑みて財務省のHPに行ってみると、ありましたお抱え審議会が。その名簿を見てみると…

財務省HP内 財政制度等審議会 委員名簿より
<委 員>
 池尾 和人  慶應義塾大学経済学部教授
 板垣 信幸  日本放送協会解説委員
 井堀 利宏 国立大学法人東京大学大学院経済学研究科教授
 岩崎 慶市 (株)産業経済新聞社論説副委員長
 江川 雅子 ハーバード・ビジネス・スクール日本リサーチ・センター長
 緒方 瑞穂  (社)日本不動産鑑定協会副会長
 勝俣  恒久 東京電力(株)取締役会長
 角 紀代恵 立教大学法学部教授
 黒川 和美 法政大学経済学部教授
 幸田 真音  作家
 河野 栄子 DIC(株)社外取締役
 残間 里江子 プロデューサー、(株)クリエイティブ・シニア代表取締役社長
 柴田 昌治  日本ガイシ(株)代表取締役会長
 髙木 剛  日本労働組合総連合会会長
 竹内 佐和子 国立大学法人京都大学工学研究科客員教授
 竹内 洋  弁護士
 竹中 ナミ (社福)プロップ・ステーション理事長
 田近 栄治 国立大学法人一橋大学大学院国際・公共政策大学院教授
○ 田中  直毅 経済評論家
 玉置 和宏  (株)毎日新聞社特別顧問
 寺田 千代乃  アートコーポレーション(株)代表取締役社長
 富田  俊基  中央大学法学部教授
 中林  美恵子  跡見学園女子大学マネジメント学部准教授
◎西室 泰三 (株)東京証券取引所グループ取締役会長兼代表執行役
 宮武 剛  目白大学大学院生涯福祉研究科教授
 宮原 賢次 住友商事(株)相談役
 村上  政博 国立大学法人一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授
 村田 泰夫 農林漁業金融公庫理事
 矢崎 義雄 (独)国立病院機構理事長
 吉野 直行  慶應義塾大学経済学部教授
 
(注)◎は会長、○は会長代理

ということで、会長は東芝出身で東証の会長をやってる西室氏。経歴から見て審議会のとりまとめと官僚や政治家への働きかけが主な任務ではないかと推察されます。
 そうすると会長代理である田中直毅氏という評論家さんが主導して政策そのもののアイデアをディレクションしてるんじゃないでしょうかね。
 田中直毅氏というと時たまテレビでもお見かけする経済評論家さん。肩書きからは中立的な人物のようにとれてしまいますが、実際は日本経団連のシンクタンクである「21世紀政策研究所」の理事を昨年3月まで10年間やってらっしゃった。
 HPを見てもわかるように「21世紀政策研究所」は新自由主義的な規制緩和、構造改革(官がやっている儲かるパイをよこせってことでしょう)を後押しするための理屈・理論を研究するところです。ここで練ってきた政策を財務省の財政制度等審議会に反映させる役割を田中直毅氏は担っているのではないでしょうか。
 経済財政諮問会議が廃止なんてえんで喜んでいましたが、庶民の財布から大企業や金持ちに所得を流すような日本の格差社会化政策を練っている売国的な組織が政府内にまだまだ残っているというわけですね。

 国会議員の方々やマスメディアの方々にも、経団連のような一利益団体のシンクタンクの理事を10年間も務めていた田中直毅氏のような人物が、財務省という国の根幹を成す省庁の政策決定に重要な役割を果たす審議会の要職に就いていることの不自然さを、是非追求していただきたく思います(アメリカ式政界財界間の「回転ドア」を率先して実践してるってことなんですかね?)。

 経団連といえば前会長である奥田氏がマスメディアに対して、報道を妨害するための恫喝としか思えない乱暴な発言をしていましたね。自公政権やアメリカをバックにして調子に乗りすぎでは。恥を知らぬエゴイスティックな金の亡者が日本のトップで滅茶苦茶をやっておりますな。

asahi.com(朝日新聞社):トヨタ奥田氏「厚労省たたきは異常。マスコミに報復も」より
奥田氏の発言は、厚労行政の問題点について議論された中で出た。「私も個人的なことでいうと、腹立っているんですよ」と切り出し、「新聞もそうだけど、特にテレビがですね、朝から晩まで、名前言うとまずいから言わないけど、2、3人のやつが出てきて、年金の話とか厚労省に関する問題についてわんわんやっている」と指摘し、「報復でもしてやろうか」と発言。

 さらに「正直言って、ああいう番組のテレビに出さないですよ。特に大企業は。皆さんテレビを見て分かる通り、ああいう番組に出てくるスポンサーは大きな会社じゃない。いわゆる地方の中小。流れとしてはそういうのがある」と話した。

 他の委員から「けなしたらスポンサーを降りるというのは言い過ぎ」と指摘されたが、奥田氏は「現実にそれは起こっている」と応じた。

 自民党も財務省もマスメディアも、経団連によってかなりコントロールされてる現状が垣間見えますね。一種の商人貴族による寡頭政治化しつつある日本かな。
(太字はすべて引用者)

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by darsana-te2ha | 2008-11-15 01:41 | お金、政治


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