2009年 08月 10日
『「歴史読本」2009年9月号 石原莞爾と満州帝国』を読みながら現在の日本を考えてみた。




 先日本屋さんで表紙の石原莞爾の晩年の写真に惹かれゲット。

 満州というと日本の植民地支配のネガティブな面が強調されるきらいがあるのですが、それだけでは収まりきらない戦後日本の高度成長にも連なる国家的な実験が数々行われた場所でもあるようですね。

 満鉄のあじあ号と言う当時の超特急の技術が高くその後の新幹線開発の礎になったことを子どもの頃から知っていたせいもあり、また今の住まいの近所に満州開拓民さんたちの慰霊碑があり、散歩のたびに一礼をしております関係もあるせいか、最近満州が気になってるところに良いタイミングで出た本ではありました。
 満州でかの激烈な人体実験を多数行った陸軍の731(石井)部隊の研究成果って全てアメリカが終戦後持っていってしまったそうなんですけど、地理的に近かったソ連(ロシア)のみならず、そんなアメリカとの関係ももう少し掘り下げていただけると嬉かったですが、それを抜きにしてもなかなか読み応えあります。

 石原のみならず、甘粕正彦、岸信介、東条英機、出口王仁三郎、児玉誉士夫、“ラストエンペラー”溥儀等良し悪しは別にしていわゆる大物が多数関係した満州ですが、その功罪も含め、現在の日本を考える上で参考になる歴史的な出来事が多数あったのではと思います(当時の政府の拡張主義を批判した石橋湛山の「小日本主義」についても触れられてました。今の日本における思考の「小日本主義」に陥った小粒な学者や役人たちに比べると、湛山にしても上記の大物さんたちにしてもその思想内容はともかく、時空共に考えてることのスケールがデカかったように思います)。

 先日ご紹介させていただいた菊池英博氏の著書(「消費税は0%にできる―負担を減らして社会保障を充実させる経済学」)にもありましたが、今の日本は戦前の日本と同じく政府による情報統制の中、国家の破滅へ向かって日々スピードを上げ邁進しているのではないかという危惧を私自身も感じております。戦前に絶対不可侵だった天皇に代わり、平成の日本では日米安保体制という宗主国アメリカに追随するだけの植民地日本という体制が絶対不可侵な領域に代わっているように見受けられます。
 2000年の森政権以降、岸信介氏直系でありまた財務(大蔵)省に近く他派閥より親米的な自民党清和会が日本の政治の中心にいるところに、共和制による五族協和の理想を捨て官僚による統制を軸とする傀儡帝政国となった満州国との相似を見て取れてしまうのは私だけでしょうか?
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by darsana-te2ha | 2009-08-10 00:35 | いろいろ感想文


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