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2006年 08月 05日
別の側面から見たアラブとアメリカ+イスラエルの対立問題-2
「別の側面から見たアラブとアメリカ+イスラエルの対立問題-1」からの続きです。

 山手氏の下記の文章が書かれた頃には、まだ崩壊してなかったソ連ですが、ソ連崩壊後の現在のロシアのプーチン大統領による政治経済の態勢を見ると、西欧的なヒューマニズムによるそれとはちょっと違っているように見えます。西欧キリスト教に於いては神は不可知なものとされていますが、ロシア正教では神と人との交流を認めているそうです。そのへんはアジアの神秘主義と相通ずるものがあるようです。そのような観点から考えると、ソ連の共産主義政権というのは、ロシア・東欧にいたユダヤ人からの影響が強い政治体制だったのかもしれません。
 そしてアメリカ支配層のネオコンのメンバーの多くが、かつて左翼思想、トロツキーを信奉していたという事実を見ると、ソ連の中にあったユダヤ・シオニスト的なエッセンスが現在アメリカに移動して、“天敵”であるアラブ(イスラム)やロシア(正教)を攻撃しているという見方ができませんでしょうか(そのように考えると、白人系ユダヤ人=アシュケナジームの出自であるハ(カ)ザール国が、かつて周囲のイスラム教国に翻弄され遂にはロシアによって滅ぼされてしまった過去に対する怨念というものが、未だに残っているようにも思えてしまいます)。

http://www.demeken.co.jp/tokiwa/meta/sougyo/71.htmlより

(引用開始)
日本もちょっと、近代国家として対応する時はずれている。しかし、何とはなしにアラブの心情は理解できる。日本人も曖昧なところが、“世間様”という場の思想がありますから。アラブでは世間様ではなく、“インシャラー”と言うらしいですね。“神の御心のままに”と。宇宙がどうしたらいいか決めてくれる、自分が決めるわけでもないし相手が決めるわけでもない。人間が決めるわけではなくて、結局成り行き次第ということでしょうか。日本辺りでは自然随順、随神の道というのもそうだったんでしょうが、“自然のままに”というのを向こうではインシャラーと言っている。一脈通じるものをもっているんですね。

ユダヤ教宗教改革の延長で、宇宙意識を取り戻す、本体論的な記憶回復をする運動が起こり始めていると見ていいんじゃないかと思います。 当然その次にやってくるのは、経済原理、社会原理の変革で、今起こりつつあると思います。それを非常に恐れたのがソ連であり、アメリカなどの西欧社会ですね。イスラム原理主義が入ったら困るという恐れがあって、アフガニスタンに侵攻したらしい。もうあと戻りができないほどにソ連社会が分解し始めている引き金は、イスラムなんです。ソ連社会の人口の1/4がイスラムですから、もうどうしようもない状況です。中近東、アフリカ、そして今はイスラムの人たちがどんどんヨーロッパになだれ込んでいますから。イスラム文化の影響は、西ヨーロッパまで広がっているという状況です。それが今度のイラク問題に現われている。アメリカを含めた近代西欧社会の中でのイスラム革命ですね。イスラム革命というのは、ルネッサンス以降、特に強く現われた経済原理や科学技術の原理で編成された近代西欧社会の、もうひとつの変革なんです、次のステップへの。本体論的なオートノミー(=autonomy:自律。ここでは自発的な行為といった意味で使われているようです/当ブログ管理者)に移る。そう見ないと理解できない。 そこへもってきて今度は同時に南北問題があるでしょ。東西関係が未来までシフトするわけですね。米ソの関係が融和したのは、実はイスラムの問題が出たからだと考えられますね。

次の宗教改革の余波が、次の経済革命、産業革命、社会革命、文化革命の方向へ伸び始めていますからね、東西関係が。もう米ソ対立と言ってられない。ほとんど同じ原理ですから。たとえ社会主義、資本主義といっても、所詮、経済原理はほとんど同じですからね。賃金、地代、利子の経済原理は、同じオートノミー。科学技術も同じ思想です。ところがイスラムとなるとちょっと違うんですよ、原理的に。同じ延長線上だけど、原理的にはどかっとオントロジー(Ontology。哲学用語で存在論のこと。ここでは主客一如、認識する側とされる側は一体であるといった意味で使われているようです/当ブログ管理者)に向かってしまう。インシャラーになっちゃうわけです。宇宙に従いましょう、ヒューマニズムじゃなくてユニバーサリズムになりましょうというんですから、ソ連もアメリカも恐ろしいんです。これがフセインの自信なんです。論理的にそれを解釈しているわけじゃないんですけど、直感的な自信でしょうね。彼らは厳密な形では表現できないでしょうけれども、神と盛んに言っている。社会主義者でありながら、奇妙なことに無神論に近い社会主義でありながら……西欧にはキリスト教の社会主義もありますが……この頃フセインの言ってることは、神によって守られているとか、神の代理で動いてるという言い方でしょ。これから21世紀は、宇宙原理で動くということです。だから21世紀は自分たちの世紀だという自信をもってきている。これがソ連、アメリカには恐ろしい。自然法則以外何もないんですからね。 

ベトナムもそうでしたけど、ベトナムではシャングルの力と人間の力が一体になって、アメリカは泥沼になったでしょ。どんなに枯れ葉剤を使っても、ナパーム爆弾を使っても、結局はゲリラに対抗できなかった。砂漠だから隠れるところがないといっても、砂漠はまた自然のオートノミーをもってます。ジャングルのオートノミーとは違う。近代のハイテクも受けつけないような、ジャングルとは異質の、砂漠のオートノミーをもっています。これから自然の力をたっぷりと思い知らされる。そのことをフセインは知ってるんです。アラブの現地の人間はみんな知っている、何千年、何万年とそこに生きてるんですから。フセインが誤算してるとアメリカは言っていますが、我々の目から見るとそれは逆で、アメリカの誤算のほうが大きいんです。昭和20年代からアラブやユダヤ、イスラムの団体をつくってつき合ってきた経験から言っても、明らかに誤算しているのはアメリカです。

アメリカが介入する以前から、フランスと戦う以前から、ずっと見てきたんです。いかに近代国家は誤算するか。フランスも簡単に誤算して退いた。アメリカもベトナムに入っておそらく誤算するだろうと我々は思っていたんですが、やっぱり誤算して撤退。それと同じ感じが、今度のアラブにはあります。アラブの場合はベトナムよりさらに領域が広いし、複雑です。イスラム全体ですからイランも巻き込みますし、アフガニスタンも、ソ連や中国のイスラム圏、インドネシア、マレーシアのイスラム圏もですから、大変なことになる。アメリカは、なぜそんなばかげたことをやるのかと思ったんですが、よく考えてみると、やらざるを得なかったのかもしれませんね。だって、もしイスラムの原理が、一番西欧に近いものではあっても、近代西欧社会、近代の経済、文化の原理を変えていった時には、ソ連もアメリカもヨーロッパも、今の形は完全に崩壊するんですよ。あまり急速に崩壊させられては困る、ということもあったと思います。

ですから当然、革命に対する反革命のようなものが起こりますよね。今、ソ連のゴルバチョフが……彼もユダヤ人ですが……ソ連でもすごい変革が起こったら困るから、保守のほうへ引いているでしょ。古典的な社会主義のほうへ引き戻そうとしている。あんまり早い変革は崩壊につながるという危機感をもっています。これはアメリカもECも同じです。さっき言ったようなオントロジーの方向へ突き進むにしても、あまり早くイスラム革命が起こったら困るんですね。ですから、相当面倒なことになると重々わかっていても、やらざるを得なかったという側面はあったんでしょう。南北問題まで入ってくることがわかっていたら、本当はやれなかったはずです。南北問題が入ると、今度はイスラムだけじゃなく、第三世界全体を敵にまわす可能性がある。もうそういう雰囲気がありますから。ベトナム戦争どころじゃない。地球全体に拡大する状況になってしまう。もうそこへ入ってるんです。(太字=当ブログ管理者)
(引用以上)


 最近の上海条約機構の動きや南米の左傾化、ヨーロッパにおける移民の暴動、イラクでのアメリカの苦戦等を見ると、上記文章の予測がある程度実現しつつあるのかなとも思われます。また旧ソ連内における「オレンジ革命」もユダヤ+プロテスタント的なヒューマニズムと正教に連なる民族的なものとの相克として捉えることもできそうです。上記の文章から考えれば「ヒューマニズム」が次第に衰え「ユニバーサリズム」が立ち上がっていくようですが、その説と矛盾するであろう「民主主義(デモクラシー)は予定説的に世界に広まるものである」という「民主主義教」が、ブッシュ大統領やネオコンが言うように、果たして本当に世界標準となり勝利することができるんでしょうか。

by darsana-te2ha | 2006-08-05 12:31 | シオニスト・ネオコン


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