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2008年 07月 09日
経産省より「2008年日米投資イニシアティブ報告書について」という報道発表があったようです。
 去る7月3日に、サミットに合わせて経産省から2008年日米投資イニシアティブ報告書についての日本側の対応について発表されたようです。かの「年次改革要望書」とセットで、日本の富の収奪のためにアメリカが日本に突きつける要望の数々。マスメディアの扱いはどうだったんですかね?

「2008年日米投資イニシアティブ報告書について」(経済産業省HPより)



 アメリカ政府からは、三角合併を円滑化させるための更なる規制緩和や、法律関係の規制緩和、海外からの移民も含めた労働市場の規制緩和を経産省に対して求めてきてるようです。いずれも日本国民の利益よりはアメリカ企業の利益要求にしか過ぎませんよね。日米では経済のあり方に相違点があるのですから、担当官僚の皆さんには、アメリカからの過剰な日本の富の収奪要求には断固として闘っていただきたいです。

 また経済財政諮問会議の八代教授や御手洗会長のような民間議員の方々が、いかにアメリカの代理人であるのかがよくわかる内容ですね。日本全体のことより、アメリカの力を利用した私利私欲に走ってるとしか思えない、かの方々です。竹中氏や宮内オリックス会長以来の悪習でしょうな。
 アメリカの経済に関する国家戦略は、金融による他国からの富の収奪ですから、そのために官民一体になって自国を「開放」し、その見返りにカネを要求するというやり方です。EUが二酸化炭素の排出権という手法で(そのやり方そのものに対しては疑問が無いわけではありませんが…)、アメリカに対抗してるのに倣って、日本もアジアの工業国と手を結んで、例えば域内で生産した工業製品本位制のような手法で、アメリカやEUに対抗してくべきだと思うんですけどね…。

【仮訳】2008年日米投資イニシアティブ報告書 2008年7月(P18~22)より引用
また、米国政府は、近年、買収防衛策の一環として株式の持合が増えていることについて懸念を表明し、この問題を企業価値研究会が取り上げることは有用であるとの意見を述べた。
(引用者/『株式の持ち合い=(イコール)「改革」の後退、「守旧派」の巻き返し、株価低迷の原因』的なプロパガンダが、今後マスメディア上で行われるのでしょうか?)

(中略)

米国政府より、日本の労働市場における柔軟性を増大させることが急激な人口動勢の変化に対応する最善の方法として、ホワイトカラーエグゼンブションの導入、確定拠出年金制度の見直し、解雇紛争の金銭的解決の導入について指摘があった。
(引用者/上記って、まず労働者の賃金に下げ圧力をかけ、もしそのことで労使で問題が発生した場合には、アメリカ系も含めた法律家を介し紛争解決を行う、しかも金額の制限を低くすることで手数料や成功報酬も高くしよう、という内容では。まさに「分断して統治せよ」。日本国内の対立を煽ることによって漁夫の利を得ようという戦術ですね。マスメディアを使って「市民の権利」をゆがんだ形で煽れば簡単に成功しそうですね。)

(中略)

投資ワーキング・グループは、東京で2007年5月に、またワシントンで2007年10月に、米国で活動する日本企業及び日本で活動する米国企業の各代表的なビジネス関係団体と会合を行った。これらの会合の目的は、国境を越えた投資を行う際に企業が直面する障壁について聴取することであった。会合では、投資ワーキング・グループが議論している事項の多くが依然として両国企業の関心事となっていることが確認された。

民間セクターから提起された問題や関心事項には、次のようなものがあった。
o 規制の透明性の重要性。
o 米国州レベルでの規制の不一致による追加の費用及び活動の制限。とりわけ環境保護及び保険サービスに関するもの。
o 米国の政府調達に関する制限。
o 日本で可能なM&A取引の種類増加の必要性。
o 日本郵政公社の民営化プロセスにおける公正競争の確保の必要性。
o 日本での法律事務の高額費用、及び裁判外紛争処理(ADR)制度の必要性。
o 米国の事前申告ルール(「24時間ルール」)により生じる追加の費用。一部の参加者からは、平均リードタイムが最大で2日間増えたとの主張があった。
o 米国向けコンテナ貨物100%検査が国際貿易及び経済活動に与える影響。
o 査証処理手続の迅速化の必要性。
o 米国によるアンチダンピングの事前協議の重要性。
さらに、ビジネス関係者からは、両国政府に対し以下の項目を検討するよう求めがあった。
o 労働力の柔軟性を促進し、多国籍企業が自社の優れた人材を「グローバル」な形で活用できるようにするための施策。
o 今後の二国間自由貿易協定に伴う諸事項についての検討。
o 特許制度の調和化。
o 製品及びサービスについての技術標準に関する相互承認。
(引用者/今後、「改革」論者が上記にならった主張を始めるんでしょうな。)
 

by darsana-te2ha | 2008-07-09 10:34 | 日米関係


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